夜10時、小学生の女の子が一人で歩いていたので声をかけた話

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今から20年ほど前のこと。仕事を終えて夜10時ごろに帰宅し、玄関でポストを確認していました。ふと見ると、小学校低学年くらいの女の子が一人で歩いています。

「こんな時間に、一人で大丈夫かな」

気になったものの、知らない大人から声をかけられたら、女の子のほうが怖いかもしれません。不審者だと思われたり、防犯ブザーを鳴らされたりするかも。少し迷いましたが、夜道を一人で歩いていることが心配で、声をかけました。

「一人で帰れる?」と聞いてみたら

「大丈夫? 一人で帰れる? 家まで一緒に行ってあげようか?」

すると女の子は、はっきりした声で答えました。

「大丈夫! 一人で帰れるから!」

そして小走りに向かった先は、私の家の隣の玄関。扉を開けて、そのまま中へ入っていきました。

「あ、隣の子だったのか……」

心配した気持ちに嘘はありません。でも、家まであと数歩のところで「送ってあげようか」と言った自分が、ちょっと恥ずかしくなりました。

近所に住んでいても、顔を知らないことがある

私は朝早く仕事に出て、帰宅はいつも夜遅く。隣に住む子の顔も、帰るところを見たのも、そのときが初めてでした。同じ町に暮らしていても、生活の時間が違えば知らないことがあるものです。

今思い返すと、女の子は知らない大人に声をかけられ、自分で「大丈夫」と伝えて家に入ったのでしょう。心配する側の気持ちだけでなく、声をかけられる側の気持ちも考えたい。そんなことを、この出来事から教わりました。

ご近所の平和を守るつもりが、少し空回り

あの夜、何か困ったことが起きていたわけではありませんでした。女の子は無事に家へ帰り、私は玄関先で一人、照れくさい気持ちになっただけです。

それでも、夜に子どもが一人で歩いているのを見て心配した自分を、責める必要もないと思っています。相手の様子を見て、短く声をかけ、返事を尊重する。あの日の私にできたことは、それくらいだったのでしょう。

ご近所の平和を守ろうという気持ちが、少し空回りした夜の話でした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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